Mesh / Earth
Tokyo, Japan
2011.02
Terrace House
182.82m2
Mesh / Earth
東京都
2011.02
長屋
182.82m2
都市のなかに突如出現した緑溢れる公園のなかに、「透明でありながら土臭いもの」の実現を目指した。
飛騨高山の左官職人:挾土秀平氏のアトリエを訪れた際、無数に飾られた実験的な左官パネルを眺めているうちに、「透ける左官」ともいうべきもので建物を覆うことが出来ないか、という発想に至った。メッシュの軽やかな透過性と土の重く粗い質感の両立、という矛盾したイメージに基づく試行錯誤の果てに、溶接金網を二重、三重に貼り合わせて作られる雪の結晶のような模様のせめぎ合いを、左官で凝結したようなスクリーンが出来上がった。スサの代わりに炭素繊維を混入し、鉄線を丸ごとくるみ上げることで定着の強度を得ている。モックアップ・スタディでは、金網の径をφ3.2からφ4.0へとわずかに太くすることで取り付く土のボリュームを増やし、全体の透明度と土臭さのバランスを細かく検討した。
最終形を取り付けてみると、近景では粗く粒立った硬い質感を感じさせながら、遠景ではファブリックのように繊細で虚弱な存在感へと変貌し、また太陽光とその影、周囲の色味のうつろいといった周辺環境の時間変化にも呼応する多様な表情を持った外観が生まれた。
都市公園の中のパビリオンという特殊与件は「おとなしい」遠景を求めているように感じた。「スタンダード」で「ドミノ」的な平面・開口で遠景に解答し、多様な表情を持つメッシュで近景への解答とした。
内装にも挾土氏の特殊左官が随所に施されている。2,3階は竹笹の葉を貼り付け、その上から雲母、または泥を被せた左官天井となっており、1階に挿入されている茶室の壁には、茶道の世界では最高級品として扱われるナラの灰を塗り込んだ、桁違いに細かい粒子の左官が為されている。そこには「灰庵」という庵名が必然的に名付けられた。





